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令和8年度税制改正の全容 ―― 「103万円の壁」刷新と賃上げ・投資促進への強力なインセンティブ

2026年4月25日

財務省は、令和8年度(2026年度)の税制改正に関する詳細資料を公表しました。今回の改正は、物価高への対応と国内投資の拡大を柱としており、特に所得税の課税最低限の大幅な引き上げや、企業の賃上げ・設備投資を後押しする税制措置が導入されます。

記事の概要

人事・労務担当者が実務上、特に注視すべき改正のポイントは以下の3点です。

1. 「年収の壁」の解消に向けた所得税改革

長年「103万円の壁」として意識されてきた所得税の課税最低限が、令和8年度から特例的に178万円へと大幅に引き上げられます。これに伴い、基礎控除と給与所得控除が増額され、パート・アルバイト等の就業調整の緩和や、手取り額の増加による消費の活性化が期待されます。また、扶養控除等の所得要件も緩和され、多様な働き方を支援する内容となっています。

2. 「賃上げ促進税制」の見直しと整理

企業の賃上げを促す税制措置が、企業の規模に応じて再編されます。

  • 中小企業: 基本的な枠組みは維持される一方、教育訓練費の上乗せ措置が廃止される方針です。ただし、未消化の控除額を最長5年間繰り越せる「繰越控除措置」が追加され、赤字時でも賃上げを行うメリットが強化されています。

  • 大企業・中堅企業: 大企業向け措置は廃止される一方で、2,000人以下の「中堅企業」という区分が重視され、要件の引き上げを伴う新たな枠組みが運用されます。

3. 「大胆な投資促進税制」の創設と高度人材育成

日本企業の「稼ぐ力」を向上させるため、一定の要件を満たす大規模な設備投資に対し、即時償却または7%の税額控除を選択できる新制度が創設されます。これに加え、研究開発税制では、博士号取得者などの「高度研究人材」を活用した場合の優遇措置が拡充されます。企業には、投資と賃上げの好循環を形成することがこれまで以上に強く求められることになります。

今回の改正は、従業員の生活安定と企業の競争力強化の双方に大きな影響を与えます。各企業は、新制度の適用要件を早期に把握し、令和8年度以降の給与体系や投資計画の策定に反映させることが肝要です。

参照URL: https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2026_pdf/zeisei26_all.pdf

著名: 山本大輔

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