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個人情報保護法改正案が閣議決定 ― AI時代のデータ活用と権利保護を両立、企業に新たな対応を要請

2026年4月11日

政府は2026年4月7日、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。今回の改正は、AI技術の急速な進展やデータ利活用需要の高まり背景に、個人の権利保護を強化しつつ、円滑なデータ連携を促進することを目的としています。

HR部門においても、従業員データの管理や採用AIの利用、未成年者の情報取り扱いなど、実務に直結する変更点が含まれています。

改正の主なポイントとHR実務への影響

  1. AI開発・統計目的のデータ利活用を柔軟化

    • 統計情報等の作成(AI開発を含む)のみに利用される場合、特定の条件下で個人データの第三者提供や要配慮個人情報の取得における「本人同意」が不要となります。社内での人材分析や、AIを活用した採用・育成モデルの開発がより進めやすくなる可能性があります。

  2. 「本人の意思」に配慮した同意要件の緩和

    • 取得状況からみて「本人の意思に反しないことが明らか」であり、権利利益を害しない場合は、本人同意が不要となる規定が新設されます。形式的な同意取得の負担が軽減される一方、企業には「本人の利益を害さない」ことのより慎重な判断が求められます。

  3. 未成年者(16歳未満)の個人情報保護を明文化

    • 16歳未満の本人から同意を得る際、原則として「法定代理人(親権者等)」を対象とすることが明文化されます。若年層の採用活動やインターンシップなどの場面で、より厳格な確認フローが必要となります。

  4. 課徴金制度の導入と罰則の強化

    • 重大な違反行為に対して、新たに「課徴金制度」が導入されます。また、加害目的での不正提供などに対する刑事罰の法定刑も引き上げられます。名簿売買のような悪質な事案への抑止力が強化されるため、委託先の管理を含めたガバナンス体制の再点検が不可欠です。

  5. 委託先・周辺事業者への監督強化

    • データ処理の委託を受けた事業者(ベンダー等)の義務が見直されます。SaaS等の人事システム利用時やアウトソーシング先において、より高いレベルでの適正管理が求められるようになります。

HR担当者が今すべきこと

改正法は今後、国会での審議を経て施行される予定です。企業は以下の準備を開始することが推奨されます。

  • 自社の個人情報保護方針(プライバシーポリシー)の改定検討

  • AIを活用した人事施策におけるデータ利用目的の整理

  • 16歳未満の応募者・参加者がいる場合の同意フローの見直し

  • 委託先事業者のセキュリティ・コンプライアンス状況の再確認


    参考:https://www.ppc.go.jp/news/press/2026/260407/

    著者:山本大輔

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