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法人の役員の健康保険等の被保険者資格の取扱いを明確化※国保逃れ対策(厚労省)

2026年3月19日

厚生労働省は、個人事業主やフリーランスを法人の形だけの「役員」に仕立て上げ、不当に社会保険料を安く抑えようとする行為に対し、審査を厳格化する通知を出しました 。


1. 背景:問題視されている「社会保険料削減スキーム」

最近、個人事業主などを法人の役員として登録し、健康保険や厚生年金に加入させる一方で、その役員報酬を上回る額の「会費」などを法人側に支払わせるケースが確認されています 。 これにより、本来は国民健康保険・国民年金に加入すべき人が、実態のない役員報酬をベースにした極めて低い保険料で社会保険に加入しており、公平性を欠く事態となっています 。


2. 「実態のない役員」は社会保険から除外

今回の通知では、以下の条件に当てはまる場合、原則として健康保険・厚生年金の被保険者とは認められない(資格喪失させる)ことが明確化されました 。


  • 報酬の実態がない場合

    • 役員報酬よりも高い金額の「会費」を法人や関連団体に支払っている場合 。


  • 業務の実態がない場合

    • アンケート回答や勉強会への参加など、単なる「自己研さん」に過ぎない活動 。


    • 単なる活動報告や情報共有だけで、経営判断や指揮監督を行っていない 。


    • 事業の紹介などの協力程度で、労務提供の義務を負っていない 。


3. 「真の役員」として認められる判断基準

今後、資格の有無は以下のポイントで総合的に判断されます 。


  • 部下(従業員)に対し、具体的な指示や監督を行っているか 。


  • 担当業務について、自分に「決裁権」があるか 。


  • 役員会に出席し、役員間の調整や代表者への報告を行っているか 。


  • 会議で意見を述べるだけでなく、定期的な出勤や実務を伴っているか 。


まとめ

「役員になれば社会保険料が安くなる」といった安易な勧誘に乗って、実態のない届出を行うことは法律違反(健康保険法・厚生年金保険法違反)にあたります 。 当局による確認が厳しくなるため、個人事業主や法人経営者の方は、その役員としての働きが「経営への実質的な参画」といえるかどうか、改めて見直す必要があります。


著者:山本大輔

参考:厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000190457_00024.html

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