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経団連、2026年度版「経営労働政策特別委員会報告」を公表 ― 構造的な賃上げと「人への投資」のさらなる深化を提言

2026年4月18日

一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)は、2026年(令和8年)の春季労使交渉に先立ち、企業の経営指針となる「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」を取りまとめました。

本報告では、物価上昇や人手不足が深刻化する中、日本経済の持続的な成長を実現するため、昨年度を上回る「構造的な賃上げ」の継続と、付加価値を創出する「人への投資」を経営の最優先課題として掲げています。

報告の主なポイントとHR実務への示唆

  • 「賃上げ」のモメンタム維持と格差是正: 物価高への対応に加え、労働力の確保・定着の観点から、月例給の引き上げ(ベースアップ)を中心とした積極的な賃上げを推奨しています。特に中小企業における賃上げ原資を確保するため、労務費の適切な価格転嫁を強力に推進すべきとしています。

  • 人的資本経営の具体化と「ジョブ型」の進展: 個々の従業員の自律的なキャリア形成を支援するため、職務(ジョブ)を明確にした「ジョブ型雇用」の導入・拡充を促しています。これに伴い、スキルの見える化や、成果・貢献に応じた公正な評価・処遇制度の再構築が求められています。

  • 三位一体の労働市場改革の加速: 「リ・スキリングによる能力向上支援」「個々の企業の実態に応じたジョブ型雇用の導入」「成長分野への円滑な労働移動」を一体的に進めることを提言しています。企業には、社外からの人材獲得だけでなく、社内公募制度や副業・兼業の活用による組織の柔軟性向上が期待されています。

  • 多様な働き方の推進とエンゲージメント向上: 育児・介護との両立支援やウェルビーイングの向上、DE&I(多様性、公平性、包摂性)の徹底を通じ、多様な人材が最大限の能力を発揮できる職場環境の整備を強調しています。

HR担当者の皆様へ

今回の報告は、賃上げを単なるコストアップではなく「未来への投資」と捉える姿勢を鮮明にしています。HR部門は、賃金水準の検討だけでなく、AI導入による業務の高度化を見据えたリスキリング計画の策定や、従業員エンゲージメントをいかに高めていくかという中長期的な視点での施策立案が求められています。

参照URL https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/018_honbun.pdf

著名 山本大輔

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