【2025年度版】テレワーク導入で最大35万円!人材確保等支援助成金の活用ポイント
- 大輔 山本
- 6 時間前
- 読了時間: 7分
「テレワークを導入したいが、コストや社内制度の整備が不安……」
「導入したものの、なかなか活用が進んでいない……」
そんな中小企業経営者の皆様に、ぜひ活用していただきたいのが「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」です 。この助成金は、適切な労務管理のもとでテレワークを導入・実施し、従業員の離職率低下などの効果をあげた中小企業を支援するものです 。
今回は、2025(令和7)年度版の最新の手引きに基づき、受給のポイントをわかりやすく解説します 。
1. 助成金で受給できる金額は?
この助成金は「制度を導入した時」と「目標を達成した時」の2段階で支給されます 。
区分 | 支給額 |
① 制度導入助成 | 20万円 |
② 目標達成助成 | 10万円(賃金要件を満たせば15万円) |
合計で最大35万円の受給が可能です 。
2. 主な受給要件
対象となるのは、雇用保険に加入している中小企業事業主です 。
① 制度導入助成のポイント
制度の規定: 就業規則等にテレワークの対象者や手続、費用負担(通信費など)を明文化すること 。
職場風土づくり: 企業トップからのメッセージ発信など、テレワークをしやすい環境を作ること 。
取組の実施: 外部専門家によるコンサルティングや、管理者・労働者への研修のいずれかを実施すること 。
実績要件: 3か月間の評価期間中に、対象労働者全員が1回以上、または週平均1回以上のテレワークを実施すること 。
② 目標達成助成のポイント
離職率の維持・低下: 制度導入後の離職率が導入前以下であり、かつ30%以下であること 。
実績の維持: 制度導入時と同等以上のテレワーク実績を継続していること 。
3. 「新規導入」だけでなく「実施拡大」も対象!
今回の助成金のポイントは、これから新しく導入する企業だけでなく、既に導入済みの企業が「対象者を広げる」「回数を増やす」場合も対象になる点です(実施拡大事業主) 。
ただし、実施拡大の場合は「延べテレワーク実施回数を前3か月と比べて25%以上増加させる」などの追加要件がありますので注意が必要です 。
4. アドバイス
テレワークは、単なる福利厚生ではなく、「優秀な人材の採用」や「既存社員のエンゲージメント向上」に直結する経営戦略です 。
特に近年、AIの普及や働き方の多様化が進む中で、場所に縛られない柔軟な働き方を提示できるかどうかは、企業の競争力に大きく影響します 。
「うちの業種では無理だろう」「制度作りが難しそう」と諦める前に、まずは専門家へご相談ください。当事務所では、助成金の申請サポートはもちろん、貴社の実態に合わせた無理のないテレワーク運用のルール作りを支援いたします。
【お問い合わせ】
法改正への対応や、貴社が助成金の対象になるかどうかの診断も承っております。お気軽にご相談ください。
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人材確保等支援助成金(テレワークコース)FAQ
1. 全般・対象事業主について
Q1. 過去にこの助成金を受給したことがありますが、再度申請できますか?
A1. 原則として、過去3年以内に本助成金(テレワークコース)の支給を受けている場合は受給できません。また、令和4年度以降に「テレワーク実施計画書」の認定を受けている場合(支給申請を行わず、今後も申請予定がない場合を除く)も対象外となります。
Q2. 国や自治体の他のテレワーク助成金と併用できますか?
A2. はい、可能です。ただし、他の助成金ですでに助成されている経費や、助成を受けようとしている経費については、本助成金の対象とすることはできません。
Q3. 複数の事業所を持っていますが、事業所ごとに申請できますか?
A3. いいえ。本助成金は「事業主単位」で支給されるものであり、事業所単位ではありません。複数の事業所がある場合でも、法人または個人を一事業主として扱います。
Q4. 「新規導入」と「実施拡大」の違いは何ですか?
A4. 評価期間の初日から3か月前の時点で、就業規則等にテレワークに関する規定が全くない(または定義のみで対象者や労働条件が明記されていない)場合は「新規導入事業主」となります。 一方、すでに対象者や手続等を規定しているが、今回新たに制度を拡充(対象者の拡大や手当の新設など)する場合は「実施拡大事業主」となります。
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2. 対象労働者・実施場所について
Q5. テレワークを行う場所として、カフェやコワーキングスペースは認められますか?
A5. 「サテライトオフィス等」として認められるためには、インターネット環境や机・椅子など必要な設備が予め備えられていることや、プライバシーやセキュリティが確保されている必要があります。一般的なカフェなどの飲食店はこれらを満たさない場合が多く、対象外となる可能性が高いです。
Q6. 自社の支店や営業所をサテライトオフィスとすることはできますか?
A6. はい、可能です。通常勤務する事業所とは異なる場所であり、通勤時間の短縮や生産性向上等に資するもので、必要な設備が備わっていれば、自社の事業所であってもサテライトオフィスとして指定できます。
Q7. 正社員のみを対象とし、パート・アルバイトを除外してもよいですか?
A7. 雇用形態(正規・非正規)の違いのみを理由として、テレワークの対象から除外しないよう留意する必要があります。不合理な待遇差は法律で禁止されており、正社員以外も対象となるよう検討が求められます。
Q8. 派遣労働者を対象にすることはできますか?
A8. はい、派遣先の事業主が指揮命令する派遣労働者を対象に含めることができます。ただし、対象労働者のうち少なくとも1名は、申請事業主が直接雇用する労働者である必要があります。
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3. 評価期間・実績要件について
Q9. 「評価期間」とは何ですか?いつから始まりますか?
A9. 就業規則の整備や社内周知、研修などの準備(テレワークを可能とする取組)が完了した日から3か月経過するまでの間で、事業主が任意に設定する「3か月間」のことです。この期間の実績で支給要件を審査します。
Q10. どのくらいの頻度でテレワークを実施すればよいですか?
A10. 【新規導入事業主の場合】 以下のいずれかを満たす必要があります。
1. 対象労働者全員が、評価期間中に1回以上実施する。
2. 対象労働者のテレワーク実施回数が、週間平均で1回以上である。
【実施拡大事業主の場合】 上記の要件に加え、評価期間中の総テレワーク実施回数が、直前の3か月間と比較して25%以上増加している必要があります。
Q11. 「週間平均1回以上」の計算方法は?
A11. 「評価期間中の全対象者の総実施回数」÷「評価期間の日数÷7」÷「対象労働者数」で算出します。この数値が1.0以上であれば要件を満たします。
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4. 目標達成助成・賃金要件について
Q12. 目標達成助成の「離職率」はどのように計算しますか?
A12. 評価期間(制度導入助成)の初日の1年前から開始前日までの1年間(制度導入前)と、評価期間終了翌日から1年間(制度導入後)の離職率を比較します。 なお、定年退職や重責解雇などは離職者数に含めません。
Q13. 賃金要件(賃上げ加算)とはどのようなものですか?
A13. 対象労働者の「毎月決まって支払われる賃金(基本給・諸手当)」を、評価期間(制度導入助成)開始から1年以内に5%以上引き上げる取り組みです。これを満たすと目標達成助成の支給額が加算されます。
Q14. 家族手当や通勤手当も賃金アップに含まれますか?
A14. 原則として、個人の事情により支給される手当(家族手当、通勤手当、住宅手当など)や、月ごとに変動する手当(残業代など)は計算に含まれません。ただし、家族数や距離に関係なく「一律」に支給される手当であれば含まれる場合があります。
著者:山本大輔
[参考:厚生労働省「人材確保等支援助成金(テレワークコース)申請の手引き(2025年度版)」]
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